日本舞踊【京鹿子娘道成寺】お問い合わせフォーム
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さあ、幕が開きます。
舞台設営・最終チェックに追われていたスタッフさんたちは、いっせいに舞台上から姿を消していきます。
完全にひとりになりました。
【京鹿子娘道成寺】の世界だけが、私とともにあります。
最高のコンセントレーションで、こころとからだのバランスを整えて、その時を待ちわびます。
そしていつでも、その瞬間は、緊張に満ちています。
逃げ出したいくらいのギリギリの感覚。
「ああ、たどり着いた。やっとこの場所へ。」
「たくさんの時を越えて、やっとこの場所へ。」
そして、音楽とともに、緞帳[どんちょう]があがります。
日本舞踊 長唄【京鹿子娘道成寺】の開演です。

花の外には松ばかり 花の外には松ばかり
暮れ染めて鐘や響くらん
鐘に恨みは数々ござる

幕が開き、一瞬のどよめきのあと、静寂が訪れます。
お客様の目線は、いっせいに舞台に注がれていきます。
そして、この瞬間は日本舞踊家にとって、観客と呼吸を合わせて、一体となるための、
大切な瞬間でもあるのです。
かけがいのないこのすべてが一体となるこの瞬間に、
舞踊家は、すべてをかけるのです。
すご~くマニアックな本だと思います。日本舞踊を実際に習っている方向けです。
もしくは、相当な日本舞踊ファンでないと、歯が立たないかもしれません。
前書きに、こんな趣旨のことが書かれています。
「作者自筆の台本や長唄・常磐津の正本の絵表紙、 絵本番付、辻番付など、初演の舞台の周辺に残された資料を整理してまとめ、内容・鑑賞・初演の解説を付す。」
・・・って、なに?って思いましたよ。
で、本当に本の中身を見たら、分かりました。 その意味が。本当にあるんです、台本や絵が付いたチラシみたいなものが。
多くの資料が江戸時代でしょうから、 もちろん白紙に筆書きの絵と文章です。それが本に載っています。(驚)本当にマニアックに役立つ本、とでも表現すればよろしいでしょうか。
多くの曲が紹介されていますが、紹介のスタイルは、
【内容】・・・その曲の概要が分かります。
【鑑賞】・・・鑑賞のポイントが解説されています。
【初演】・・・初演のデータと背景など。
【歌詞紹介】・・・歌詞が載っています。
特に【初演】の記述は、時には作詞者・ 作曲家の背景にまで触れてあったりしていて、圧巻です。
読み物としては、少々つらいですが、 資料としての価値は抜群の一冊です。
もしかしたら、 日本舞踊のお師匠さんされている方が、お弟子さんへの教えのネタに使えたりするんじゃないか、と思います。そのくらい詳細に書かれています。
あなたの日本舞踊の第6巻です。とくに日本舞踊を習っている方なら、必携書と思います。
または、日本舞踊を鑑賞することを、かなり趣味とされている方にも、必須の書かもしれません。
この本の構成は、第1部として、3分の2くらいが、多くの識者の文章となっていて、第2部が日本舞踊関係の資料集になっています。
第一部は、本当にバラエティに富んだ文章が集められています。日本舞踊の美についてだったり、流派についてだったり、音楽だったり・・ ・、女形の歴史についても記述されています。女形をする私が読み込んだのは、言うまでもありません。
また、第二部の専門用語解説も使えます。これで、専門知識に疎い私も、焦りません。強い見方がいますから。(苦笑)ほかにも、 主要な舞踊家の家系図や舞踊団体の紹介がありますから、持っておいて損はありませんね。用語集が、ネット環境でもよいかたなら、 【日本舞踊】用語集もおすすめしますよ。とっても充実してますよ。
・・・それから、これを書くのはちょっとためらわれるところがありますが、・・・思い切って書きます。
この本は・・・・、「字が大きくていいっ!!!」
・・・そしてさらに「紙質も良いから、読みやすくて、疲れにくい!!!」
・・・これは、本当に最高です。
日本舞踊関係の本は、結構古い本なんかもあったりして、紙の質に少々難ありだったり、 印刷が薄めですぐ疲れちゃうなんてものもありますが、この本に限っては、それがないです。2003年の発行ですから。
もちろん、これは「あなたの日本舞踊」1巻から6巻まで通して言えることです。読みやすい・・・大事な事ですよねっ♪
【京鹿子娘道成寺】の舞台が決まった時に、買いました。
まさに、プロの京鹿子娘道成寺の写真が表紙に載っていて、中にも写真がありました。
表紙の写真では、女形の腰のラインが、とんでもなく素晴しいうまさを感じさせてくれるものでした。今でも私には、 あんな型は創り出せません。(哀)
また、文中の解説量もしっかりとあり、京鹿子娘道成寺という名作舞踊に対する最初のアプローチをとっても助けてくれました。
著者の和角仁氏は、シリーズものとして、同じ題名「あなたの日本舞踊」で1巻から6巻まで刊行されています。1巻から5巻までは、 いろんな演目を解説されています。6巻は、日本舞踊に関する解説文と用語集となっています。
それだけの著書量がありますから、解説のクオリティは、私の口からいうまでもありません。主要曲には、 カラー写真入りの解説も付きますし、言う事ありません。
カラー写真がありますから、日本舞踊を習っている方だけでなく、日本舞踊を観るのが趣味の方にも、割と楽しめる感じがします。 日本舞踊の写真って、世の中にあんまりありませんよね~。
あなたの日本舞踊〈5巻〉
和角 仁 (編集)
著者の西形節子[にしがたせつこ]氏の著作は、とても多くあるようです。
日本舞踊を中心に歌舞伎にいたるまで、古典芸能への造詣はハンパではないようです。
肩書きも凄いです。
舞踊批評家協会会員。芸術祭・芸術選奨審査委員。1929年生まれ。
ようするに、と~っいてもエライおばあちゃん(怒られる?m(..)m)ということなんでしょう。
ある程度学者チックな感じがしてもしょうがないと思いながら購入したんですけど、これが実は面白い感じ。
学者チックに本当に正確な記述につとめていらっしゃる事は、ひしひしと伝わってくる文章なんですが、 なんとなくスピード感がある感じなんですよね。
・日本舞踊についての詳細な書籍。
・なおかつ手ごろに読めるもの
という条件でいくと、日本舞踊に関しての本って、今買えなくなっているものを含めても、あんあり種類がないんです。
そんな中で、この本は、その手軽な大きさといい、記述の正確さといい、さらには読みやすさといい、群を抜いているのでは、と思います。 だから七刷も発行されているんでしょうね。
安心して手元に置いておけるんです。
日本舞踊の世界 西形節子著、講談社
この本、重宝しています。
実際に使えるところが多い、実用書って感じなんですよ。
日本舞踊の歴史から舞踊の種類の細部にわたるまで、衣装・音楽・道具・舞台装置などなど、全範囲をもれなく網羅してくれています。
あと、家元制度と現存する流派についての解説があるのが、とってもいいですね。何と行っても、日本舞踊は流派が、 とてもたくさんありますから。日本舞踊協会加盟の流派だけで、なんと200以上、そして未加盟の流派もたくさんある、とのことです。
もしこれから日本舞踊を習いたいな~、と思っている方だったら、一度流派や家元制度について、 ざ~っと眺めてみるのもいいかもしれませんね。
それから、最も私が重宝しているのが、巻末の【日本舞踊と邦楽の用語】です。
最も重要な用語は、本編中で触れられていますが、少しマイナーな用語も、日本舞踊を習っているものとしては、はずせないですしね。 わたしは25年以上日本舞踊を習っていますが、知らない用語がかなりありました。(汗)
でも、この本を手元に置いていますから、もう今は安心ですよ♪(笑)